「頼もー!」
突然バタンと乱暴に開かれた扉に生徒会役員の誰もが注目した。
「なんだ?てか誰?」
そう不機嫌そうに机に肘を突いて睨んだのは、生徒会会計担当西原だ。
早速お目当ての人物登場、というところだろうか。
茸撲滅委員会の委員長は、その、あまりにも凄まじい不機嫌オーラに怯み尻込みしかける。と同時に、生徒会の会計担当がかの有名なS様だということを思い出し、体が固まった。
しかし駄目だ。此処で負けてしまうわけにはいかないのだ。なんせ自分達の憎き敵「茸」が撲滅しない限り自分達に平和は訪れない。そのためには天敵、飼育栽培委員会の守る茸を排除する為の活動資金は重要だ。
「確かお前、茸撲滅委員会の委員長だな」
「知っているのか、中桐?」
「ああ、有名じゃないか」
――いろんな意味で。
そう、言いかけてやめ、フフッと鼻で笑った。
彼らが来た理由は大方分かる。どうせ、活動資金を減らすな、といったところだろう。
西原もそれが分かったらしく、大きくため息をついた。
「悪いが茸撲滅委員会の予算削減は決定したことだ。今更翻すつもりは無い」
「な、なんだと!お前は分かっていない!そう何も分かっていない。『キノコ』の恐ろしさを…あのヌメヌメしたのやらうにゃうにゃ生えるのやらくねくねしてるのやら、…」
「別に分かりたくも無いから語るなよ。そもそもそんな名前の委員会、無くても学園に支障ないだろう。てかな、お前今、私のことを『オマエ』とか言わなかったか?」
ふふ、と不敵に笑った西原が席を立った。
某撲滅委員会の委員達は揃って生唾を飲んだ。
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