木に止められた紙を破り捨てると三原は急いで飼育栽培委員達に召集をかけた。数分後にはすべての委員が集まり無残な光景を目の当たりにしていた。踏みにじられた茸をみて泣き出すものもいた。
「酷い・・・、せっかく大きく育ってくれたのに。」
唇をかみ締め副委員長が目に涙をうかべた。
「これで一体何度目だ! 奴等は悪魔か・・・」
そう、これは紛れも無く我々の天敵の仕業―――
「茸撲滅委員会」
憎らしげに三原はその名を口にした。
飼育栽培委員会がこよなく愛し飼育栽培している茸を憎悪し、それを撲滅する活動をしている委員会。この学園創立時からこの戦いは続いている。
その歴史の中で葬られた茸は数知れず、一時は茸の命とも言える宿木まで焼き払われた。そして、今日もまた新たな犠牲・・・。
「「むこうがその気なら我々も反撃に出るべきだ!」」
飼育栽培委員たちの決意の言葉が空に響き渡った
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